地面師詐欺はなぜ起こるのか?対処法は?
地面師に騙されない為には事前調査で相手方を把握することが大事です
本日のニュースで都内の土地を舞台に6億5千万円もの金額を騙し取られた地面師詐欺事件の報道がありました。
土地の所有権移転登記の際に印鑑証明書の偽造に気が付いて発覚したという事です。
こうした地面師事件は毎年必ず起きている事件で、主な事例は高齢の所有者になりすまして身分証明書関連を偽造するなどして所有者になりますのが常套手段です。
数年前には大手不動産会社が五反田駅近くの土地を舞台に55億円もの土地代金を騙し取られました。この他には赤坂の土地で9億円といった、大手企業相手でも地面師たちは暗躍していますし、ニュースになっていない事件も多く存在するのが現状です。
地面師らが好む土地は更地が多く、売りやすくて買いやすいという部分があります。そして所有者は高齢であるか、病気などで長期入院、高齢者施設に入居しているといった「動き」の少ない人物を入念に調べてから狙っています。
地面師関連の調査事例
実際に探偵組合で調査した地面師事件では、土地の所有者になりすまし、役所で写真付きの住民基本台帳カードを取得するといった大胆な手口が使われていました。高齢者ですので役所側のチェックがやや甘めになっていることを悪用した例です。
実際の土地の所有者は車椅子生活で、殆ど外出はせず、時々来るヘルパーの方に身の回りの世話をお願いしているようでした。実際に本人の顔写真を撮影できたのは数日の張り込み調査の末に一度だけ髪の毛を切りにヘルパー付き添いの下で介護タクシーで外出した時だけでした。
結果はやはり全くの別人であり、都内某所に赴いて数億円の契約を行えるような雰囲気は皆無でした。
今回の事件では実際に弁護士事務所内で契約が行われるなど、信頼性があるかのように装い、司法書士や契約に携わるいくつかの人物も完全に騙されていたということが被害に繋がっています。
地面師に騙されない為には「事前に本人確認」をキッチリとしておく事が一つ。契約に携わる関係者にも本人確認とバックグラウンドチェックが必要になると思われます。
本人確認においては複数回行うことが大事です。五反田駅近くの物件では一度物件敷地内で確認はとれたようですが、その際は建物の中に入れてくれなかったという話もあります。
探偵組合では本人に接触せず、実際に所有者宅に出入りしているのか?契約前面談などがあれば、その後どこに帰宅するのか?誰と接触するのか?といった調査が可能です。
契約に現れた仲介業者のバックグラウンドチェックや事実確認等も行えます。
調査会社に支払う料金はけして安くはありませんが、前述した被害金は殆ど戻ってきていませんし、土地自体も元の所有者の名義のままです。
探偵組合の活用も視野にお考えください
事前の本人確認を全く利害関係の無い第三者が行い、バックグラウンドチェックを様々な視点から行えば地面師詐欺事件は防げていたのではないかと思われます。