資産調査で有価証券を調べる場合は証券会社がカギとなります

資産調査

所有している株、有価証券を調べるのは銘柄ではなく証券会社

資産調査を行う場合、資産残高に注視してしまいがちです。例えば〇〇ホールディングスの株を1万株、〇〇海運が5千株所有していて時価総額が〇〇万円という事実が分かっても、どの証券会社の口座にあるのかが分からなければ差し押さえすることはできません。

ですから我々のような探偵事務所に資産調査を依頼する場合は、証券会社の特定が可能かどうか?を確認して依頼してください。

中には非常に悪徳な興信所もいて、適当な銘柄をいくつかピックアップし、銘柄名と保有数だけを報告するといったところがあります。しかし、その情報だけでは全く意味がないというのが弁護士の見解です。

ご自身でも調べることは可能です

会社法の第百二十五条では株主名簿を本店に保管し、株主なら閲覧・謄写ができるという制度があります。本店以外では株主名簿管理人の営業所に保管しているようです。このへんは企業によって違いがあります。

例えば〇〇建設の株を所有しているという情報を掴んだ場合、ご自身で〇〇建設の株を保有します。そうするとあなたは〇〇建設の株主ということになります。その証明があれば、〇〇建設の本社で株主名簿の閲覧が可能になるという訳です。

しかしながら悪意のある理由では閲覧を拒否される可能性がありますので、会社法を理解するとともに弁護士の見解を仰いでから行った方がよいでしょう。

注意点としては、株主名簿というのは株主としての権利日を跨いで保有していないと株主名簿には記載されません。株取引でデイトレード、スイングとレートという手法があり、一日ないし数日で手放してしまうというトレードの手法があります。このようにプロ級の手法で売買していると株主名簿に記載されていても、調べた時には手放してしまっている可能性もあるでしょう。

配当のよい株の場合は数年保有して配当利益を得るという方が多いので、株主名簿に記載されている可能性が高いです。また大量に保有しているような富裕層の場合は検索で知ることもできるでしょう。

証券会社は株券だけではない

ネット証券を含め、証券会社が扱っている金融商品は多種多様です。株・投資信託・外国為替証拠金取引(FX)・積み立てニーサ・イデコ・貴金属などです。また金融商品を購入する場合は証券会社の口座に入金する必要がありますので残高もあるはずです。

一部ネット証券では提携している親会社の銀行(楽天など)の口座に残高があれば、その残高を自動的に反映して購入できる制度もありますので、必ずしも証券会社の口座に入金しなければならないという訳ではありませんが、日興証券や松井証券は証券口座への入金が必要になります。

証券会社の特定は難しい

ネット証券が台頭してくる前は、実店舗に赴いて株取引を行う個人投資家の姿を見ることが出来ました。現在は約50パーセントの投資家がネット取引だそうです。また、株主総会のお知らせや配当金に関すること、議決権行使に係る書類などはネット上で完結している場合も増え、封書で自宅に届くということも少なくなってきています。

いまだその対応をしていない企業からは封書で自宅に届きますが、口座を開いている証券会社からではなく、その企業の証券代行業務を行う会社から送られてくるので勘違いなさらないで下さい。株を楽天証券で購入していても、みずほ信託銀行の証券代行業務の部署から送られてきます(一例として)。

とにかくご相談を

私ども東京調査業協同組合ではさまざまな調査に対するご相談を親身になって受け付けております。証券会社の特定は難しくても、不動産の特定など可能性も交えてアドバイスしておりますので、こんなことは調べられるのかな?と疑問に感じたらお電話やメールでご相談下さい。

 

東京調査業協同組合